2019/02/18
出産を控えた妊婦さんの中には、
「逆子が原因で帝王切開になるかも・・・」という方や、
最近では「計画的にこの日に産みたいから」などの理由で帝王切開を選ぶ方も増えてきています。
今や5人に1人の赤ちゃんが「帝王切開」で生まれてくる時代!
私の周りでも帝王切開で生まれてくる赤ちゃんが多く、私自身も妊娠9ヶ月にして逆子なので、帝王切開になる可能性を考え始めています。
でもやはりお腹を切るのは怖いですし、不安になる妊婦さんも多いかと思います。
そこで今回は、帝王切開のメリットとデメリット(リスク)について調べてみました☆
安心して出産に臨むために、帝王切開についてきちんと理解しておきましょう^^
帝王切開とは?
そもそも帝王切開とは、お腹と子宮を切開する手術により赤ちゃんを取り出す出産方法のことです。
帝王切開には「予定帝王切開」と「緊急帝王切開」の2種類があります。
では実際に、それぞれどのような場合に適応されるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう!
予定帝王切開
予定帝王切開とは、手術予定日を決めて行う帝王切開のことで、妊娠37~38週頃に手術が行われることが多いです。
経腟分娩とは違い、陣痛を待たずに決められた日程で行われ、手術は1時間ほどで終わります。
予定帝王切開を行う理由としては、主に下記のようなものがあります。
・前回の出産が帝王切開だった
・高齢の初産婦である
・子宮の手術を受けたことがある
・子宮筋腫がある
・胎盤が子宮口を塞いでいる、もしくは近くにある
・赤ちゃんに影響のある感染症にかかっている
・計画的に産む日を決めている(計画出産)
・逆子である、もしくは頭が下を向いていない
・巨大児である(4,000g以上)
・赤ちゃんの頭がお母さんの骨盤より大きい
・双子以上を妊娠している(多胎妊娠)
・赤ちゃんの育ちが悪い
・赤ちゃんに何らかの問題、もしくは病気がある
赤ちゃんが逆子の場合だけではなく、大きすぎる場合でも予定帝王切開が適応されるのですね。
続いては、緊急帝王切開について見ていきましょう!
緊急帝王切開
緊急帝王切開とは、経膣分娩中に何らかのリスクが発生したときに緊急的に行われる帝王切開のことです。
緊急帝王切開を行う理由としては、主に下記のようなものがあります。
・初産婦で、出産に30時間以上かかっている
・経産婦で、出産に15時間以上かかっている
・へその緒が赤ちゃんより先に下がっている
・赤ちゃんが産まれる前に胎盤が剥がれた(常位胎盤早期剥離)
・破水して子宮内に雑菌が入る可能性がある
・子宮が破裂する可能性がある
・重度の高血圧である(妊娠高血圧症候群)
・未熟児である
・赤ちゃんの状態に何らかの問題がある
・赤ちゃんが低酸素状態である
予定帝王切開とは違い、緊急的に行われるのが緊急帝王切開です。
このため、自然分娩の予定だったのに帝王切開に変更されていた、という場合も少なくないようです。
帝王切開のメリット
昔は5~10%しか行われていなかった帝王切開ですが、現代においては5人に1人(20%)が帝王切開によって生まれてきています。
その理由・メリットとして一番大きいのは、帝王切開の安全性の向上にあります。
赤ちゃんに対する安全性も確立されており、状況によっては経腟分娩よりもリスクが少ない出産方法です。
特に逆子などの場合は、安全性を重視してほとんどの産院で帝王切開が選ばれています。
お母さん、赤ちゃんにとって最も最良な出産方法であると判断されたときに帝王切開が行われますから、それがあなたにとって最も最良で安全な出産方法であると言えますね☆
また、帝王切開はお母さんの体に負担のかかる手術ですが、子宮脱・子宮下垂・膀胱脱・直腸脱などの骨盤臓器脱が、経腟分娩より起こりにくいとされています。
経腟分娩に比べて産後1年での尿失禁の頻度も低くなります。
この他、予定帝王切開の場合は予定が立つということもメリットです。
働いている方の場合、仕事の調整や産休などの予定が立てやすく、パパに仕事を休んでもらうことも可能でしょう。
上の子供がいる場合は、学校行事と重ならないように予定を立てることも出来ます。
まとめると・・・
・安全性が向上している
・経腟分娩(自然分娩)のリスクを回避できる
・お母さん・赤ちゃんの状況によっては最良な出産方法
・骨盤臓器脱が経腟分娩より起こりにくい
・尿失禁が経腟分娩より起こりにくい
・予定帝王切開の場合、予定が立つ
以上が帝王切開のメリットでした^^
私事ですが。
つい最近看護師さんに、「逆子で帝王切開になるかもしれない・・・」
と不安な気持ちを話した時に、
「逆子なのは、赤ちゃんにとってその位置が最も居心地が良いから。帝王切開になっても、あなたと赤ちゃんにとってはそれが最も自然で、安全な方法なのよ。」
と言われて、すごく安心することが出来ました。
経膣分娩(自然分娩)が、必ずしも最良な出産方法とは限らないのです☆
帝王切開のデメリット・リスク
続いては、帝王切開のデメリット・リスクについて見ていきましょう。
基本的に、経膣分娩のリスクが懸念され、帝王切開が最も安全な出産方法であると判断された場合に帝王切開が行われます。
しかしながら、やはり帝王切開にもリスクや後遺症の可能性はあります。
・大量出血が起きる可能性がある
・肺血栓塞栓症になりやすい
・次回の出産で普通分娩をした場合に子宮破裂が起きる可能性が上がる
・次回の妊娠で前置胎盤になりやすい
・癒着が起き、不妊症や腸閉塞になる可能性がある
・体質によっては、麻酔の使用によって合併症が起きる可能性がある(頭痛・低血圧・嘔吐など)
・体質によっては、麻酔によりショック状態になる可能性がある
「肺血栓塞栓症」とは長時間ベッドに横たわることで起こるもので、経膣分娩と比べて5~10倍のリスクがあると言われています。
しかしながら最近では、手術翌日に歩行したり、ベッドの上で足を動かしたり、弾性ストッキングで下肢を圧迫することにより対策されているため、リスクは低くなっています。
また、子宮破裂や癒着の可能性は、帝王切開を繰り返すことによりリスクが高まります。
・一過性多呼吸になりやすくなる
・帝王切開で早めに生まれた場合、低血糖や低体温になることがある
「一過性多呼吸」とは、生まれた後に赤ちゃんの肺に余分な羊水が残り、一時的に呼吸困難に陥る症状のことです。
ただし、酸素投与などで適切に対処すれば2~3日以内に治まり、後遺症が残ることはほとんどありません。
このように、帝王切開にデメリットやリスクがあるのも事実です。
しかしながら、どのような出産方法においても必ず何らかのリスクが伴います。
帝王切開が選ばれるときは、あなたや赤ちゃんにとって最も最良で安全な方法であるからです。
何か不明な点があれば、遠慮せず医師に尋ねるようにしましょう^^
まとめ
帝王切開に対してネガティブなイメージを持つ方は多いかもしれません。
しかしながら、例え経膣分娩(自然分娩)であっても、場合によっては母子ともに危険な状態になったり、命の危険を伴うものです。
経膣分娩よりもリスクが少なく、お母さんと赤ちゃんにとって最も安全であると判断されたときに選ばれるのが、帝王切開です!
自信を持って帝王切開に臨みましょう^^
この記事が、あなたが安心して帝王切開に臨むための助けになれましたら幸いです☆
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