2019/02/18
出産を控えたママは、出産時の痛みについて先輩ママの体験談を聞く機会も多いかと思います。
みんな口を揃えて
“表現できないほどの痛み”
“壮絶な痛み”
などと表現するので、出産に対する不安は高まるばかり…。
そこで気になるのが「無痛分娩」です☆
無痛分娩を経験した先輩ママからは「絶対やった方が良いよ~!」などと言われ、出産を控えた私はとても気になっています。
しかし先日、無痛分娩で母親が命を落とすという悲しいニュースが報道されました。
無痛分娩は出産時の痛みを軽減できるけれど、リスクが高い、危険なものなのでしょうか?
今回は、無痛分娩のリスクや死亡率などのデメリット、逆にメリットはどんなものがあるのかについて調べてみました!
出産を控えたママは、ぜひ参考にしてみて下さい^^
目次
無痛分娩とは
無痛分娩とは、麻酔薬を使って陣痛の痛みを緩和しながら出産する方法です。
無痛分娩と言っても、痛みが全く無い“無痛状態”なわけではなく、あくまでも痛みを和らげてくれるものであると考えましょう。
麻酔が効くのは、お腹から下の一部。
ですので、麻酔と言っても妊婦さんを眠らせるわけではなく、意識がある状態で行います。
分娩時のいきみも通常の出産と同じように行いますし、痛みが軽くなる以外は通常のお産と変わりません。
無痛分娩には、分娩日を決めて行う計画分娩と、陣痛を待ってから産む直前に麻酔を打つ方法があります。
アメリカやフランスなどでは7~8割と高い確率で行われている無痛分娩ですが、日本での無痛分娩率はまだまだ低いのが現実です。
無痛分娩には「硬膜外麻酔」と「静脈麻酔」の2つの方法があります。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう!
硬膜外麻酔
硬膜外(こうまくがい)麻酔は、背骨の脊髄に近い部分に細いチューブを入れて麻酔を注入する方法です。
痛みを緩和する効果が強く、母子ともに影響が少ない点から、海外でも硬膜外麻酔が一般的に実施されています。
意識は分娩の最後まではっきりしており、副交感神経が優位に働くためママはリラックスしてお産ができます。
静脈麻酔
静脈麻酔は、静脈から点滴で麻酔薬を注入する方法です。
この方法は、硬膜外麻酔が使えない人の場合に適応される場合があります。
硬膜外麻酔と比べて痛みを緩和する効果は弱めですが、処置は簡単です。
分娩中に眠くなる方もいますが、赤ちゃんが生まれてくるまでは意識があることが大半です。
無痛分娩のメリット
無痛分娩のメリットについて見ていきましょう。
無痛分娩の最大のメリットは、分娩時の痛みが緩和されることです。
痛みに対する恐怖心の強い方や、痛みによるストレスや苦痛から解放されることは非常に魅力的です。
また、陣痛や出産によって体力が削られないので母体への負担が少なく、出産後の回復が比較的早いということも大きなメリットでしょう。
硬膜外麻酔では副交感神経が優位になるので、産道が広がりやすく会陰切開が減ることも利点です!
この他、普通の出産ではいきむタイミングで呼吸を止めて力を入れてしまうことがあり、赤ちゃんに届く酸素量が減ることも。
特に妊娠高血圧症候群などの場合はリスクが高く、硬膜外鎮痛法で無痛分娩をすれば、血流と酸素量を保って分娩することができます。
心臓や肺などに持病を持つ妊婦さんも、母体への負担を軽くするために無痛分娩の方が安全な場合があります。
まとめると・・・
・分娩中の痛みが緩和される
・痛みの恐怖やストレスから解放される
・体力の消耗が少なく、産後の回復が早い
・硬膜外麻酔では意識がはっきりしている
・陣痛の感覚が分かるので、いきんで出産できる
・硬膜外麻酔では副交感神経が優位になり、会陰切開の可能性が減る
・血流と酸素量を保って分娩することができる
・心臓や肺に持病を持つ妊婦さんに向いている
以上のメリットがあることが分かりました!
産後の育児を行うにあたって体力を温存できることは、母親にとっても赤ちゃんにとっても嬉しいことですね^^
無痛分娩のリスクや死亡率・デメリット
「無痛分娩で死亡」というニュースが流れると、どうしても“無痛分娩は危険なんだ”というネガティブなイメージになりがちです。
そこで、まずは一番気になる「死亡率」について見ていきましょう!
無痛分娩の死亡率について
2010年1月~2016年4月の6年間の死亡数です。(厚生労働省より)
うち無痛分娩での死亡数・・・13名(4%)
日本での出産件数は年間約100万人ほどですが、それに対して妊産婦の死亡率自体は1%にも満たないほど低いものです。
そのうち4%の13名が無痛分娩により死亡したということで、無痛分娩での死亡率はかなり低いということになります。
また、13名のうち1名が麻酔による中毒症状で死亡しましたが、他の12人名は、大量出血、羊水塞栓症などといった普通分娩でもありえる死因でした。
無痛分娩を行う人は、2008年度は2.6%ほどでしたが、現在は5~10%にまで増えてきています。
しかしながら、それに伴い死亡率が増加しているわけではありません。
以上のことから、無痛分娩を行ったからと言って、特別に死亡する確率が高くなったり、危険を伴うというわけでは無いことが分かりました!
無痛分娩のデメリットについて
続いては、無痛分娩のデメリットについて見ていきましょう。
まず挙げられるのは、費用が高くなることです。
値段は病院によって異なりますが、3~15万円程度が通常の分娩費用に上乗せされます。
ちなみに私がかかっている産院(一般的な産婦人科)では、5万円とのことでした。
また、痛みを緩和する効果には個人差があるため「効果が得られずに痛みを感じたまま出産をした」という方もいるようです。
逆に麻酔が強く効いてしまうと、上手くいきむことが出来なかったり、子宮収縮が弱くなることもあり、鉗子分娩や吸引分娩が行われる確率が高くなります。
そして、すべての妊婦が無痛分娩を受けられるわけではないということも知っておきましょう。
妊婦の状態により、無痛分娩が適応できるかどうかが判断されます。
例えば、背骨に変形がある、血が止まりにくい、神経の病気がある、などのケースでは無痛分娩ができません。
まとめると・・・
・費用が高くなる
・効果が得られない場合もある
・上手くいきめないこともある
・鉗子分娩や吸引分娩が行われる確率が高くなる
・すべての妊婦が無痛分娩を受けられるわけではない
以上のデメリットがあることが分かりました!
無痛分娩の麻酔による副作用や後遺症
続いては、麻酔による副作用や後遺症について見ていきましょう。
・足のしびれ
・血圧低下
・体温の上昇
・排尿障害
・頭痛
・かゆみ
・吐き気
・めまい
・腰痛
・目の違和感 …etc
【母体への後遺症】
・硬膜穿刺後頭痛
・血の塊や膿のたまりができる
赤ちゃんへの影響はほとんど現れません。
【赤ちゃんへの後遺症】
赤ちゃんへの後遺症はありません。
副作用は個人差があるので、どのような症状が出るかは人それぞれです。
麻酔によるリスクは一時的なもので、麻酔の効果が無くなると元通りになります。
この他、母体への後遺症としては「硬膜穿刺後頭痛」や「血の塊や膿のたまりができる」といった可能性があるようです。
“硬膜穿刺後頭痛”とは、麻酔を打つ際に硬膜を傷つけてしまった場合に起こります。
脳髄髄液が硬膜外腔に流れることにより頭痛や吐き気などの症状が出るそうで、数週間から1ヶ月以上も続くこともあります。
“血の塊や膿のたまりができる”ということは非常にまれですが、神経障害が一生残る可能性があるため手術による除去が必要となります。
無痛分娩による赤ちゃんへの副作用や後遺症は、心配しなくても良さそうですね^^
“無痛分娩を行うと自閉症の子供が生まれる可能性がある”なんてウワサもあるようですが、そのような事実はありませんし、医学的根拠も全くありません。
まとめ
死亡事故などが起きるとどうしても危険なものと思ってしまいがちですが、どのような出産方法でもリスクは伴うものです。
無痛分娩には、痛みの恐怖やストレスから解放されたり、母体の体力を温存できるという大きなメリットがあります☆
私が通っている産院では、出産の最中に無痛分娩を選ぶことができるシステムです。
先生には「出産のお助けとして、こんな方法もある。“いざというときの救世主”だよ!」と言われました。
こんな方法もあるんだ~と考えておけば、心強いものですよね^^
無痛分娩を希望している、もしくは無痛分娩を選ぶか悩んでいるママは、信頼できるお医者さんを見つけてリラックスして出産に臨んでくださいね♪
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