2019/02/18
パンを食べるときにはマーガリンが欠かせない!という方は多いのではないでしょうか。
マーガリンはバターより安価ですし、ついつい買ってしまいがちですよね。
また、市販の菓子パンやお菓子にも普通にマーガリンが入っています。
しかし、マーガリンには私たちの健康を害する危険性があるということをご存知でしょうか?
マーガリンが危険な理由とは?
マーガリンとバターの違いって?
今回は、マーガリンの危険性や健康への影響についてご紹介致します!
マーガリンの危険性について
マーガリンは何で出来ている?
まず、マーガリンは何で出来ているのかをご存知でしょうか?
マーガリンの主な原料は「植物油脂」です。
原材料の部分には「食用植物油脂」や「食用精製加工油脂」などと表記されていて、いわゆる“サラダ油”のことを指します。
JAS規格では、
●油脂含有率が80%未満のもの・・・ファットスプレッド
●食品添加物以外の原料が食用油脂だけのもの・・・ショートニング
と分類されています。
そして、この植物油脂にこそ、マーガリンの危険性が秘められているのです!
植物油脂が危険な理由
植物油脂って、植物から抽出している油だし、何が危険なの?と思う方も多いことでしょう。
大量に入っていて他の油より安価ですし、サラダ油は普段の料理や揚げ物にも欠かせませんよね。
しかし、大量に入っていて安価なのにはちゃんとした理由があるのです!
サラダ油の原料は主に「大豆」「菜種」「トウモロコシ」などですが、決してこれらの原料が危険なわけではありません。
サラダ油が危険な理由は、油を生成する工程にあるのです。
①原料を高温に熱して圧搾する(高温圧搾法)
②さらに溶剤をかけて油を溶かし出す(溶媒抽出法)
③加熱処理し、溶剤を気化させる
④油に水を加えて遠心分離器にかけ、不純物を除去する
⑤活性白土などを加えて混ぜ、葉緑素などの色素を取り除き漂白する
⑥ろ過して活性白土を取り除く
⑦水蒸気蒸留を行って臭いを取り除く
簡単に説明すると以上の工程になります。
問題なのは、①の「高温圧搾法」の部分です。
高温圧搾法は「低温圧搾法(コールドプレス)」や「玉締め圧搾法」という製法に比べて採油効率が良く、短時間で大量の油を作ることが出来ます。
そのため、安価なサラダ油にはよく使われる製法なのですが、ここで発生するのが「トランス脂肪酸」です。
トランス脂肪酸とは不飽和脂肪酸の一種で、サラダ油を作る時にできる副産物のこと。
これが、マーガリンが危険である理由の一つなんですね。
トランス脂肪酸が健康に及ぼす影響について、詳しくは次の項目で説明していきます。
ちなみに、高温処理によって原料の栄養素も壊れてしまいます。
このほか、②の「溶媒抽出法」では劇薬である“ノルマルヘキサン”が使われています。
もちろん残留しないように除去することが義務づけられていますが、気持ちの良いものではありませんよね…。
ノルマルヘキサンを大量摂取した時の健康への影響としては、手足の麻痺や歩行困難、頭痛、めまいなどがあります。
マーガリンの健康への影響について
マーガリンが危険なのは、原料であるサラダ油を作る時にできる副産物としての「トランス脂肪酸」にある、というお話をしました。
さらに、植物油を固体のマーガリンに加工する際に行われる“水素添加”という化学処理においても「トランス脂肪酸」が生成されます。
つまり、マーガリンはトランス脂肪酸の塊であると言えますね。
では、具体的にどのような健康への影響があるのでしょうか?
早速見ていきましょう!
・発がん性がある
・血中の悪玉コレステロールを増やし善玉コレステロールを減少させる
・動脈硬化などによる虚血性心疾患のリスクを高める
・心筋梗塞や狭心症のリスクを高める
・肥満、糖尿病、高血圧のリスクを高める
・喘息、花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルギー反応を引き起こす
・認知症になるリスクを高める
・免疫機能を低下させる
・妊娠中や授乳期に摂り過ぎると、胎児の成長妨害、流産、死産のリスクを高める
・子宮内膜症や不妊症のリスクを高める
いかがですか?良いことは一つもありませんね。
ちなみにアメリカでは、その危険性から「狂った油」と呼び、トランス脂肪酸を食品添加物から全廃すると発表しています。
では、どうして日本ではマーガリンをはじめとするトランス脂肪酸を含むものが販売禁止にならないのでしょうか?
これは、日本の食生活が欧米と異なるからです。
欧米諸国には、脂肪分の摂りすぎなどから肥満や心疾患の症状になる人が多く居ます。
日本人は欧米人に比べ、トランス脂肪酸の1日あたりの摂取量が約8分の1と言われています。
ですので、平均的な日本の食生活をしていれば問題ないということで販売禁止にはならないのです。
しかしながら、現代の日本の食生活はかなり欧米化してきていますよね。
ファーストフードや洋食などは当たり前になってきているのが現状です。
ちなみに、トランス脂肪酸が含まれている食品には下記のようなものがあります。
・コーヒーフレッシュ
・菓子パン
・ケーキ
・アイスクリーム
・チョコレート
・ドーナツ
・スナック菓子
・カップ麺
・インスタント食品
・レトルト食品
・カレーのルウ
・冷凍食品の唐揚げ
・揚げ物 …etc
これらは、原料にマーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、植物油脂などを使っているもの。
私たちの生活に欠かせない食品には、トランス脂肪酸が含まれるものがたくさんあることが分かりますね!
マーガリンとバターの違いについて
これまで、マーガリンにはトランス脂肪酸がたくさん含まれていて、いかに危険なのかについて説明してきました。
では、マーガリンの代わりに「バター」を使えば安全なのでしょうか?
一見似たような味と見た目のマーガリンとバター。
マーガリンの原料は、8割以上が「植物油脂」ですが、
バターの原料は、生乳(牛乳)と食塩です。
バターは高価だし、天然の原料だから体に良いイメージですよね^^
実際、バターにはビタミンA、D、E、Kなどの栄養成分も含まれていて、マーガリンとは似て非なるものです。
しかし、実はバターにもトランス脂肪酸が含まれているんです。
トランス脂肪酸には、
①油脂を加工・精製する工程でできるもの
②天然に食品中に含まれているもの
の2種類が存在します。
天然でトランス脂肪酸を含む食品には、牛肉や羊肉、牛乳や乳製品などがあります。
ですが、その含有量はごくわずか。
雪印のマーガリンとバターで比べてみましょう!
・雪印「バター仕立てのマーガリン」…6g
・雪印「北海道バター」…2g
これを見ると、ちょっとしか変わらないじゃん!と思うかもしれません。
たしかに、昔のマーガリンに比べて、最近では企業努力によりトランス脂肪酸の含有量は10%以上削減されているようです。
市販のマーガリン(100gあたり)では、
・小岩井「マーガリン ヘルシータイプ」…0.34g
・イオントップバリュ「キャノーラソフト カロリー1/2」…0.23g
など、トランス脂肪酸の含有量がかなり少ない商品もあるようです。
とはいえ、やはりバターの方が断然安全であると言えるでしょう。
マーガリンは、これまで紹介してきた危険性以外にも・・・
・カビが生えない
・腐らない
・虫も食べない
という特徴があります。
アメリカでマーガリンを外に放置する実験が行われたことがあり、放置された期間はなんと2年間!
2年間も放置されたにも関わらず、腐りもせず、カビも生えず、虫も食べず、全く変化が無かったそうです。
このように、科学処理によって保存性が高められた人工的なマーガリンと、自然のもので出来たバター。
あなたは、自分や家族の健康を考えた上でどちらを選びますか??
まとめ
いかがでしたか?
今回はマーガリンの危険性についてお話しましたが、それだけではなくトランス脂肪酸が含まれる商品の摂取全般を控えることが重要です。
何にトランス脂肪酸が含まれているのか?ということを理解しておき、普段から成分表を見るクセを付けておきましょう☆
健康は一日にしてならず!
日々の食生活を大切にしてくださいね^^
*関連記事*
・市販の食パンで安全なものはどれ?原材料や添加物を徹底比較!
・ウインナー ハムベーコンソーセージの添加物は湯通しで除去!安全な商品の選び方
・ベーキングパウダーのアルミフリーに害はある?離乳食で赤ちゃんが食べても大丈夫?